2011年12月30日金曜日

さよなら2011年、ありがとう2011年


 2011年はいつもと全く違う一年になってしまいました。苦しく、心の痛い年でした。災害の大きさももちろんですが、人や組織のもろさ、人の言うことの危うさなどをいやでも実感してしまいました。人は目の前にないものを想像するのは難しいですが、リーダーはそれを想像しながら人々を導いてほしいものです。しかし、我々はそういったリーダーを選び出す機構を持っていないこともはっきりしてしまいました。この場でこれ以上語るのはやめておきましょう。それでも私は今まで生きながらえ、新しい年を迎えようとしているのです。一時はとてもカヤックに乗る気も起こりませんでした。しかし、我々が普通の生活をしないと支援できる社会をさえ維持できないという都合の良い理屈を見つけてしまって以降は、また川に戻りました。川はやはり楽しいです。特に福島の川と湖には何度も楽しませていただきました。なんの力にもなれなかったですが、これからもできる限り応援し続けようと思っています。
 さて、今年の集計です。今年は合計31日漕ぎました。その他に1日檜枝岐に行きましたが、体調不良で漕がずにカメラマンになっていました。
 桂川5回、多摩川御岳5回、江戸川水閘門3回、丹波川3回(上中下区間各1回)、利根川2回(水上・月夜野各1回)、以下はすべて1回です。男鹿川、舘岩川、湯ノ岐川、那珂川(那須コース)、三国川、清津川、秋川、穴内川、吉野川(大歩危)、檜枝岐川、摺上川、猪苗代湖。このうち下線のつの川・湖は私にとって今年が初めての場所でした。思えばずいぶん経験が拡がった年でした。その割に腕が上がらないのはしようがないですね。
そのほか、1/10カヤック模型を12艇作ったのも今年の出来事でした。すべてJacksonKayakだったので来年はLiquidologicWavesportsRiotも作ってみようと思っています。

さて、今年最後の動画です。11月23日に御岳でカヤック&バーベキューをやった日のことをまとめてみました。最近皆さんの動画がすばらしいできなので、私のも少しレベルアップが必要かと思い先月編集ソフトを変えてみました(Adobe Premiere ElementsからPremiereProCS5.5へ)。まだちゃんと使えてないので仕上がりに変化なく少しがっかりです。来年はこちらの腕も上げたいですね。
今年一年おつきあいいただいた皆様、本当にありがとうございました。
来年もよろしくお願いいたします。よい年になりますよう、願っております。


2011年12月27日火曜日

丹波川アッパーセクションツアー



12月25日はClass5丹波川アッパーセクションツアーに行ってきました。
この日も快晴、朝7時出発時の気温は-3℃。集合地点道の駅たばがわに着いたら先週より相当寒かった感じです。この日のメンバーはほりほりさん、OWLさんと私の3名、ガイドはもちろんClass5主催のYararengerさんです。この日のコースは先週行ったミドルコースのすぐ上流側、約2Kmほど。後半はミドルコースの途中まで下ってゴールの予定です。
まずはゴールのトンネル出口まで移動。車を乗り換えスタート地点に移動。道路から川まで長い急斜面なので、船はロープで下ろします。人間もロープにつかまってないと転げ落ちそうです。なんとか無事に河原にたどり着き、いよいよスタート。
前半はミドルコースと同じ程度の難易度、面白いドロップが次々に現れます。すべて慎重にスカウティングしてから順次下って行きました。いくつかドラマがあった後、核心部が現れました。見たとたん、ありえない!という感じ。落差が大きく、2回曲がっていてしかも途中が岩岩。ここを行く?普通これを見たらポーテージでしょっ!
前半から飛ばすほりほりさん
きまってるなぁ、OWLさん
先週からあまり進歩ない私

核心部を行くYararenger師匠、普通こんなところ行かないでしょ
しかし、Yararenger師匠の解説を聞き、次第に冷静にみることができるようになりました。まず右パドルでブーフしてバウを右に向けがら着水。再度ブーフして今度はバウを左に。なるほど、できそうじゃないですか。そして師匠の実演を見ると、これがいかにも簡単そうに見えるんですよね。しかも、周囲は深い谷でポーテジ不可能。覚悟を決めてこぎ出します。まずは右にパドルを入れて右に飛ぶ・・はずが思わず左パドルになってしまいました。それても何とか上手く右に回頭できたようです。その後はもう流れに乗っているだけ。気づくと下まで来ていました、ヨカッタァー!つづいてOWLさん。一段目、きっちり右パドルで右に回頭。その後もスムースに降りて、お見事でした。最後はほりほりさん。一段目でパドルのタイミングがずれた?でも結果オーライ。良いコースで降りてきました。いや、ほんとにヨカッタヨカッタ。あんなところ下れるんですね。連れてきてくれたYararenger師匠にあらためて感謝です。でもここは素人だけでは絶対に来てはいけないところですね。
その後も楽しいドロップが次々に現れ、ブーフが必要な箇所が続きます。しかし、なかなか思い通りには行きませんね。
ようやくミドルコースの入り口に来た頃には相当消耗していました。距離はホント短いのにね。その後ミドルコースはじめの瀬、先週と同じ場所で同じように沈!進歩ないですね、トホホ。トンネルを超え2時にはゴール。短い区間でしたが、本当に濃い内容でした。
脱いだPFDをふと見ると、なんと凍っていました。さむっ!着替えてから道の駅丹波山で昼食をいただき、来年の再会を誓って帰途につきました。
最後は大きな満足と心地よい疲労感に包まれました
脱いだPFDが凍っている・・・

2011年12月21日水曜日

丹波川ミドルセクションツアー


12月18日はClass5丹波川ミドルセクションツアーに行ってきました。
 天気は快晴、朝10時前に集合場所の道の駅丹波山につくと、すでにYararenger師匠が待ちかまえていました。この日のメンバーは私だけ、マンツーマンの濃い内容になりそうです。丹波川は道の駅から下流のロワーセクションは一度下ったことがありますが、このミドルコースは初めて。距離は4Km足らずと短いですが、かなり難コースのようです。
ゴールの学校横川岸に移動して着替えます。フルフェイスのヘルメットにエルボーガードも付けてフル装備で準備完了。カメラもGoProVIOの両方用意しました。Class5ハイエースでスタートに移動。国道411号を上流に向かい、羽根戸トンネルをぬけたところがもうスタート地点です。周囲の日陰には雪が残っていて寒々しい感でもあり、初めてのコースで身が引き締まります。
ゴール地点にて、快晴のすばらしいコンディションでカヤックを楽しめました

 さて道路からはロープを使って船を下ろしてエントリ。川の水はとてもきれいで澄んでいます。まさに清流。それに冷たい!スタート地点でスピンをトライするも沈、頭の中まで凍るかと思いました。そしていよいよスタート。日の当たらない渓谷の中に入って行きます。そのはじめの瀬が難しい。2段になっている途中で曲がっており、岩があちこちにあってコースが狭い。スカイティングはしたもののきっちり沈してトホホです。画像をみると着水のときに変なリーンがかかっているから沈も当然、これではダメですね。その後もなかなか難しい瀬が次々に現れ、緊張かつ楽しい時間が途切れなく続きます。水量が多い川ではないですが、クリークとしてカヤックには非常に面白いところです。ブーフ講習を受けたばかりだったですが、そのブーフが必要な場面が非常に多かったです。ただ、なかなか上手く決まりませんね。まあ、それでも後半は徐々にペースをつかんでなんとか師匠について行けました。これ以上はちょっときついかなと思い出した頃、川相は渓谷からゆったりとした流れにかわってきました。しばらく下って1時過ぎにはゴール。いやぁ、楽しかった。すごく面白いアトラクションに延々と乗っていたような気がしました。
前半はこんな川相が延々と続きます。落差が結構ありますね。
つららがあちこちにできてました

師匠に良い写真を撮っていただきました

 上がってからは道の駅丹波山で肉うどんを食べて暖まりました。来週は今回より上流の丹波川アッパーセクションツアーがあるようです。さらに難しいとのことですが、なんとか参加したいですね。

注意:途中ポーテージが必要な瀬があります。上流川からは見えにくいです。またトラブルがあってもすぐには道に出られない深い谷です。プロのガイドと一緒に行くことをおすすめいたします。

2011年12月11日日曜日

冬の御嶽は大賑わい

12月11日はClass5のブーフクリニックを受けてきました。この日は朝からずーっと快晴、圏央道からはきれいな富士山が見えていました。御嶽につくと放水口の駐車場はまだ霜が降りたいましたが、なんと駐車場は満杯状態。しかもほとんどがカヤッカーのようです。この日の青梅市最低気温は氷点下なのに、これは何?ひょっとしてカヤックのブームが来ているのでしょうか。
圏央道から見た富士山の図
満杯の放水口駐車場
落ち葉の上に霜が降りていました。写真を撮ったら滑って転んだ、トホホ・・。

さて、一時休養されていたClass5Yararenger氏も全く元気、というか元々元気。がんがん漕いでます。何もそこでしなくてもと言うような小さなウェーブやホールでカートを連続してます。川にはプレイボートはじめスラローム艇、カダディアンやスクォートまでバラエティーにとんだカヤックがたくさん。なんだか見ているだけで楽しくなってきますね。それにアフロヘアのどこかで見たことあるような兄さんまでカヤックを漕いでます。おまけになんとスクォート艇には試乗までさせていただきました。楽しいと言うより・・・、得難い経験でした。
さて、ブーフクリニックですが、前回に続き2回目。まずはフォワード、スウィープ、スターンラダーから始まり、ブーフ、ブラスティング、ロックスライドなど。こう書くとすごい内容かと思われるかもしれませんが、私がきっちりできるはずもありません。なんとなくそんな感じかなという「なんちゃって」ブーフくらいですが、それでも頭の中ではだいぶ 整理されて来ました。それにしれも、基本中の基本であるフォワード、スウィープが難しいですね。逆に言うと、基本さえきっちりしていればいろんな応用が利くのかな。これはカヤックに限らないことでしょうが。
生まれて初めてスクォート艇に試乗

スタート時はまだ川にまで日が差していませんでしたが、午後1時を過ぎるともう日が陰ってくる場所も多くなりました。2時半にはテニスコートで終了。いろいろ勉強になった1日でした。

2011年11月12日土曜日

桂川ダウンリバー


 116日は桂川に行ってきました。
 朝7時過ぎに牛久のへたっぴカヤッカーさん宅を出発、新宿駅に向かいます。トムスクからやってきたロシア人カヤッカー、Antonさんを迎えに行くためです。Antonさんは2ヶ月だけ仕事で東京に滞在中で、だれかカヤックに連れて行ってくれる人がいないかとYoutubeの動画を見て私にメールをくれたのでした。8時半に新宿駅西口の改札付近でパドルを持って立っていると彼が私を見つけてくれました。30歳の好青年、金髪で身長180cmです。たどたどしい英語で会話しながら猿橋近隣公園に向かい、高速の入り口を間違えて少し遅刻して着いたのは950分頃でした。すでにメンバーは勢揃いしていました。我々のほか、woodsさん・mashiさんご夫妻、ヤリサさん、そしてこの日のもう一人の主役、水Oさんの合計7名です。水Oさんはなんと古希パドラー、それもカートホイールをしながらダウンリバーして行く猛者です。しかもカヤックを始めたのは50才を過ぎてからですと、マイッタ・・!。私が上手くならないのは年のせいにはできませんね。自分もまだまだできるかなと思えてすごく嬉しかったです。そしてすごく自然体の方で、これまでのカヤック歴などいろいろ教えていただき勉強になりました。
 さて、はじめはAntonさんにどの船、どの服があうかフィッティング。体格が同じくらいのwoodsさんにはフルドライスーツと船を貸していただき大変助かりました。結局Antonさんにはへたっぴさんのオールスターに乗ってもらい、へたっぴさんはwoodsさんのバーンで、woodsさんは07オールスターで、私はVarunで下ることになりました。猿橋公園から四方津の民家までをコースとして出発です。
日本三大奇橋、猿橋にて

鳥沢は多くのパドラーで賑わっていました

この日の主役、Antonさん

もう一人の主役、水Oさんのプレイ。これで古希ですよ!

後半は10名の大部隊でダウンリバー
まずは小さな瀬を一つ超して猿橋に到着。ここでお互いに英語による自己紹介。猿橋は日本三大奇橋の一つだそうで、確かに川面からみるとなかなかすばらしい景観です。その後は何でもない瀬がいくつかありようやく鳥沢に到着。この日の大月水位は1.83、なんとか鳥沢ホールでプレイが楽しめる水量でした。それに時々雨もぱらついて、やや増える傾向にあったようです。ホールはすでに多くのカヤッカーで賑わっていました。我々の中ではwoodsさん、ヤリサさんが余裕で乗ってましたね、さすがです。ここでtoro5さんチーム3名が加わり、以降は計10名でのダウンリバーとなりました。核心部ではみんなでスカウト。Antonさんは最後のホールで捕まりましたが余裕で脱出。捕まったと言うより、遊びに行ったのかな?ほかの皆さんもスムースに通過。その後のゴルジュも全員すんなり通過。この日は以前感じた怖さがなく、水位のせいでしょうか。それともVarunのせいか、自分の経験値が上がったせいかな?
まあ、もう少し漕げるなという余裕がある感じでゴールに到着。皆さん、楽しんでいただけたようです。猿橋公園に戻り、着替えて解散。Antonさんを新宿駅に送り届けてから帰宅しました。
 

なお、今回の動画の音楽は、友人のAtsushi Miura氏のオリジナル曲です。これからもカヤック動画用に 新作を提供してくれるとのことなので、お楽しみに。


2011年11月1日火曜日

柿の種工房通信(1)


 このところいろいろ事情が重なり、週末も川に出られない日が続いています。そこで、カヤック模型制作について書いてみます。
 今年2月、ふとしたことで思いつき110スケールのカヤック模型の制作を始めました。これがなかなか面白くて次々に作り続け、今までに11艇が完成しました。我が家のガレージの隅を「柿の種工房」として使っています。チュペロというバードカービング用の木材を切ったり削ったりして作っていますが、はじめはノコギリ、カンナ、ナイフ、彫刻刀など手作業が中心でした。しかしだんだん電動工具に頼るようになり、この工具類がどんどん増えて置き場も困るようになってきました。何でも道具に頼ろうとする悪い癖はカヤックと同じですね。
柿の種工房、これでも撮影用に片付けました



上左から電動ノコ、丸ノコ、ジグソー、下左からサンダー2種、ルーター、グラインダー

なぜかすべてJacksonKayak! どうして?

 でもここまで作っていて、中身は少しずつは進歩してきています。グラブループははじめ黒いチューブ付き針金を曲げて取り付けただけだったのが、電線のコード部分を切って開いて釘で打ち付けるようになりました。そして今では船体にまず溝を掘り、そこに合わせた小さなフォーム材を釘で取り付けています。サイブレイスも、はじめは削り出しで形を作り、そこに針金を付けただけでした。その後小さな薄板部品を取り付けてよりリアルに見えるようになり、今では部品数を増やしてより精細に再現しています。ただ、シートとバックバンドはなかなか満足できる再現ができていません。材質、構造ともにまだまだ改良が必要です。
左が初期のグラブループ、右が最新作

サイブレイスも左から右へ進化しました

 塗装はずっと市販のラッカースプレーを使っていましたが、ミルク宇治金時号ではそうは行きませんでした。このためエアブラシに挑戦、なんとかあの色を再現できたかなと思っています。自分ではこの仕上がりに結構満足しています。



さて、現在制作中のこの2艇、何の船だかわかりますか?わかる方は相当の通ですね。来年は自分の船も作ってみようかなと思っています。そして理想の一艇ができれば Eric Jacksonに贈ろうかとも思っています。


2011年10月16日日曜日

至福の前半、苦行の後半、摺上川


1010日は摺上川に行ってきました。
109日に桧枝岐川を漕いで、そのまま桧枝岐の民宿「松源」泊。翌日は大芦川にしようか、那珂川那須コースにしようかと相談していたところ、福島カヌー教会元やんさんよりお誘いを受け、ちょいと摺上川へ(これ、パクリですね)。
10日朝6時半に桧枝岐を発ち、西那須野塩原へ戻って東北道へ。福島飯坂インターを出た待ち合わせ場所のコンビニに着いたのは9時半前でした。この日のメンバーは元やんさんと黒磯カヌークラブのマツさん、そして桧枝岐から移動してきたDOHAさんへたっぴカヤッカーさん、私の合計5人です。買い物を済ませ早速川へ向かいます。すると、高速インターからほんの10分程度でゴール地点の田下に到着。橋の下で着替えをして車一台を残し今度は約7Km上流、スタート地点の滝野発電所へ移動します。途中には災害のため(震災か7月末の豪雨かは不明)道路工事があり、超辺鄙な山道の片側交互通行で迂回しました。滝野発電所に入る道もすごく狭くて両側を擦りそうになりながらなんとか通過しましたが、スタート地点には車数台が置けるスペースがありました。
さて、地元の元やんさんをリーダーにスタート。いきなり気持ちよい瀬が続きます。落差はかなりありますが、険悪さはなくリラックスして楽しめます。景色も素晴らしい。高い絶壁、美しい木々、そしてこの日も快晴!例えて言えば、鳩ノ巣渓谷の核心部までのような、落差がある気持ちの良い瀬が延々と続く感じというところでしょうか。しかし、この至福のダウンリバーはこの日の行程の約4割で終了。堰堤を担いで超えた後は川相ががらりと変わりました。
この日のメンバー5人

駐車場からすぐ川に入れます

この日も快調なへたっぴカヤッカーさん

前半はこんな感じの瀬がテンポ良く現れ気持ちよく下れます

後半からはもろい地質の場所が多いためか、あちこちで土砂崩れが起きていました。元やんさんも震災後の摺上川は初めて下るそうですが、地震で崩れたり、大雨で崩れたりしたようです。所々に倒れたばかりの木も横たわっていました。今にも崩れ落ちそうな所もあり、かなり緊張を強いられました。そしてシーブや堰堤を含め56カ所はポーテージしたでしょうか。途中からは相当消耗してゴールが待ち遠しい感じでした。それでも元やんさんの的確なリードで午後2時には無事ゴールにたどり着けました。
後半はこんな感じの落ち込みが増えてきます

プレイボートで安定した漕ぎを見せたマツさん

こんな木の下もくぐって行きました

土砂崩れもリーダーの的確な指示で無事通過

着替えた後はみんなでとんかつ屋へいって疲労回復。私はカツカレーをいただきましたが、なかなか美味しかったですよ。
ところで、今回もヘルメットに着けたV.I.O.POVHD1980x1080モードで撮影しましたが、ファイルが大きすぎて編集に時間がかかり、動画を作るのは断念しました、トホホです。今度から1280x720にしておきますね。

2011年10月14日金曜日

1Q84な桧枝岐をゆく


109日は桧枝岐に行ってきました。この7月末の新潟福島豪雨後初の桧枝岐漕行だったと思われます。

6時半にへたっぴカヤッカーさんと我が家を出発。東北道西那須野インターを降りて田島を通過するまでは、これまで何度も通った時と同じ風景でした。しかし舘岩が近づいてくるとなんとなく道路工事が多くなって来たことに気づきました。やがて内川の集落近くまで来ると大きな土砂崩れがあり、道路が片側通行になっていました。山肌がむき出しで、扇型に土砂がくずれており、道路をまたいで舘岩川まで土砂が流れ込んでいます。とりあえず道路の土砂を取り除いただけという感じで一応通ることはできました。その先の沼田街道を左折して桧枝岐に向かうと、さらにひどい状況の連続でした。桧枝岐川の支流というには小さく、普段は流れがあることすらわからないような小さな沢が、ことごとく大増水したらしく沢の両岸が崩れています。どの支流もV字型の直線水路のようになっていて、川底から2~3mは土砂に覆われた状態です。沢の近くでは木が根こそぎ倒れていました。流れてきた土砂は所々で沼田街道をまたぎ、桧枝岐川まで流れ込んでいます。大破した別荘や、家が流され土台だけ残った所などもありました。道の両脇にも土砂や倒木が残ったままです。小豆温泉の方に話を聞くと、豪雨のため土砂崩れがあちこちで起きて、桧枝岐村は1週間も孤立していたそうです。今も奥只見に通じる道路は通行止めのまま。今回本当は只見川上流部を漕いでみたかったのですが、とても無理な状況でした。屏風岩駐車場に行くと、大量の土砂が山積みされていました。道路から取り除いた土砂の仮置き場になっているようです。
屏風岩駐車場には大量の土砂が置かれていました

午前十時、その駐車場でDOHAさんと落ちあい、この日のメンバー三人がそろいました。さっそく着替えてゴールの双六へ向かいます。スノーシェッド途中の橋を渡った越郷沢の入口は扉が閉められていて、テイクアウトはできません。しかし、以前崖から登っていた場所のすぐ下流に、土石流が作った坂が道路から河原に続いていました。地元の方に通って良い旨の承諾をいただき、ここをゴールに設定しました。今度はスタートに戻りながらもう一度川を詳しく観察。水量は普通程度にありそうでしたが、全体に土砂で埋まって浅くなっている印象です。それに岩の配置がなんとなく違うし、岩が白く光って見えました。川砂で表面が削られてピカピカになったようです。今までと同じようで少し違う桧枝岐、1Q84の世界に迷い込んだような気分です。
さて、いよいよS字ねじり滝下からスタート。S字滝もほかの瀬と同様、底が浅くなって落差が減っている印象です。とくに二段目は険悪さが消え、ただの落ち込みのように見えました。右岸側に岩がありますが、そこに流れが当たっているという感じではなく、本流の横にちょこんとあるだけ。これなら私も行けそうな感じ!Yararenger師匠に実際に見て判断を仰ぎたいところです。スタートのプールに降りてみると、ここもとても浅くなっていました。しかしここも含めて下るのに困るほどのことはありませんでした。私がリーダーを仰せつかり、先頭を漕ぎました。ログがひっかかったり、なにか新たな障害がないか心配で多くの瀬をスカウティングしながら慎重に下ってゆきましたが、以前よりもどの瀬もマイルドになっていました。
S字ねじり滝は1段目の落差も減り、2段目も危険な感じは無くなりました。行けるんじゃないですか?

快調にとばすヘタッピカヤッカーさん

この日がバーンL進水式のDOHAさん

カエル飛びの瀬も下が土砂で埋まって落差が少なくなっていました。ただこの日の印象では巻きが強くなっている感じです。カエル跳びの手前にある岩も微妙に配置が変わっていました。その後の瀬も、岩の配置が変わったり、浅くなっていたりしましたが基本形は同じでした。ところが、イナズマドロップに来ると??です。はて、この辺がイナズマだったはずだが・・。良く見ると、イナズマ前の馬のような形の大岩は土砂に半分埋まって小さく見えていたのでした。その周囲もソフトボール大から人の胴体くらいの大きさの岩が埋め尽くしています。イナズマドロップはまったく形を変え、ただの小さな落ち込みとなっていました。色即是空、形あるものはいつか必ず形が無くなります。大地とて同じこと。地球の悠久の歴史の中ではほんの些細な変化です。ただ、かつてのイナズマドロップを漕いで最後に成功したのは南極3号さんだという事実はいつまでたっても変わりません。空即是色、南極3号さんに栄光あれ!
元イナズマドロップ、上流側より

これがあのイナズマの変わり果てた姿、時の流れは恐ろしい・・・


その後の瀬も慎重に見ましたが、リスクは減りこそすれ増えた場所は見当たりませんでした。ただ、次に増水したらどんな風になるかは全く分りません。今回、幸いにも流れの中にログはありませんでしたが、周囲の山崩れの中には大量の倒木が見られました。これがいつ本流に入ってきても不思議でない状況です。今後はどこでも障害物がある可能性を想定しながら漕ぐ必要があります。午後二時には無事ゴール着。その後はおやじ三人で桧枝岐の民宿、松源に向かいました。この宿、薬膳料理が売りです。民宿ながら地元料理のフルコース、たっぷり味わい大満足の一日でした。
豪雨後初の(たぶん)桧枝岐降下を終えたオヤジ達

桧枝岐民宿松源の薬膳料理、まだ写りきらない料理がたくさん

今回の動画はV.I.O. POV HDをヘルメットに着け撮影しました



2011年10月5日水曜日

Class5ブーフクリニック


104()Class5ブーフクリニックを受けてきました。
ブーフとはホールなどの危険箇所を飛び越えて回避する技術で、クリーキングやダウンリバーには非常に大切です。以前から是非習得したいと思っていたのですが、偶然前の晩にこのクリニック開催を知り、無理矢理参加させてもらいました。
この日は快晴、御嶽には気持ちの良い秋空が広がっていました。区間は放水口から軍畑まで。参加者は初めてご一緒するDOHAさんとベビトラのMさん、そして私の三名です。まずはみっちり座学から。うーん、なるほど。これまでよく理解できていなかったブーフが、おぼろげながらその姿が理解できました。川に下りてからはまずはSターンの練習。かなりブーフに近いです。それにブーフテクニックはエディキャッチにも使えます。
多摩川はまだ濁って底は見えませんが、先週よりは綺麗になってます

エディーキャッチとSターンを繰り返し練習

パドルを押さえて、腕で漕ぐのでなく船を動かす練習

ブーフの実行に当たっては角度、リーン、パドルの位置が重要。さらに先行動作、水のキャッチも重要。腕を引いて漕ぐではなく、船を走らせる・・。どれも基本がしっかりできていれば簡単に応用できるはずの事ですが、これがなかなか。何度も沈をしながらトライして、最後はヘトヘトになりました。
ブーフは一日でならず。まだまだほんの入り口を覗いただけですが、また講習を受けてなんとか身につけたいものです。これがしっかりできれば、より難度の高い川にも行けるようになるでしょう。
多摩川は先月の大雨でまだ濁っていましたが、先週よりはかなり綺麗になってきたようです。今年中には清流に戻りそうですね。

2011年9月26日月曜日

Class5吉野川ツアーその3~大歩危600t~


919日は吉野川大歩危セクションに行きました。
前夜はまだ池田ダム流入量は1000t以上でしたが、明けてみると600/s台に下がっていました。豊永水位も2.8mとなりラフトも出るようです。まだ小歩危には無理な水位のようですが、天気も快晴!気持ちよく宿の阿波池田ユースホステルを出発しました。
昨日のゴールだった豊永が今日のスタートです。この日のコースは真ん中までの約12Km。吉野川は昨日の濁った茶色から、深い緑色へと変わっていました。ただ昨日より水が減ったとはいえ、去年の30/s台と比べようもないど迫力。近くで見るとすこし怯んでしまうほどです。
さて、いよいよ出発。自らを鼓舞しながらこぎ出しました。まずは豊永の瀬。去年は右カーブの左岸エディを取りながら下っていったように思いますが、とても外側に近づく余裕はありません。中央から右によって進みます。流速も早く波も大きいので、前のメンバーについて行くのが精一杯。つい目の前の波ばかり見ていました。瀬の出口付近でふと気づくと、目の前に巨大ホールが出現。しかも中にはすでに沈したカヤックが二つ船底をこちらにみせています。避けられない!それに前のカヤックの人がロールを試みると私のカヤックで直撃するかも知れない。とっさの判断で漕ぎ抜けるよりは、スピードを緩めることを選択し、ブレーキをかけながらホールに突入しました。すると強烈な巻き!直ちに沈しました。セットもできないほど強烈に身体が川底の方に引きずられます。そのまま我慢、我慢でおとなしくしているとしばらくして少し引きが弱くなりセット可能になりました。なんとかロールで起き上がろうとしましたが、周囲はサイダーの中みたいにアワアワ状態。ぜんぜんパドルが効きかずに起き上がれません。再度試みると、一瞬だけからだが水上に出ましたがすぐまた沈。相当息がきつくなってきました。これでだめなら脱は覚悟と、最後の力を振り絞って3度目のロールを試みたところようやく成功。ほっとしたのも束の間。周りを見ると沈脱のパレードでした。息が切れていてとてもレスキューのできる余力はありませんでしたが、なんとか誰かのパドル1本だけ確保。
瀬が大きすぎて何処で誰が漕いでいるかよくわからないくらいです

二人のガイドの活躍で皆さん何とか無事。いや、きつかった。もう前の人は信用しない、自分でしっかり流れを見るぞと本心から反省しました。でもこれでみんなの緊張もほぐれ、このハイウォーターにも慣れてきました。その後は三段、岩原、国境の瀬がありましたが皆さんしっかり攻略していました。またこれらの瀬の間は、去年は全くのトロ場だったのですが、この水位ではさすがに違います。強いボイルや大きな三角波が各所にあり、気の抜ける所がありません。また逆に何処も凄く楽しい。私自身のことを言うと、前日の穴内川では船のコントロールが充分できず、すこしドタバタした感じでした。しかし上野氏のアドバイスでパドルをより深くさす事を意識したところ、そこそこ思うように船の進められた気がします。ただ、画像を見るとまだ自分の周りを漕いでますね。もっと前方の水をとらえないとね。
やがてゴールの真ん中に着いた時は、達成感と一体感でみんな高揚していました。ほんと、素晴らしい経験ができました。楽しかったし、充実していました。

自分を鼓舞しないと瀬に出る勇気も出てこないほどです
フリースタイルのトリックではなく、ダウンリバーです

ゴールに上がってからしばらくすると、激しく雨が降ってきました。漕いでいる間でなくて良かった!よほど普段の行いが良い人がいるのですね。でも雨にるれてさむいので、オヤジ3人衆はスプレースカートを着てしのいでいました。これが結構いいんですよ。こんど流行らせましょう。
最高の時間を共有できた仲間達の笑顔 
冷たい雨には、この格好が結構良いんです



着替えてからは5時過ぎに大歩危駅から汽車に乗り、岡山から新幹線に乗って帰りました。
ぜひまた来年も、この川に帰ってきたいですね。